POISON DOROPS《TABOO~秘密の恋~短編集》

「閉館の札出してきました。」


彼の指が私の髪をすくう

ゾクリと全身が波立って、

彼を見上げる。



メガネの奥の瞳がまた妖しく揺れて、


「いつものように…」


静かに、そして厳かに響きで

わたしの耳腔に響く




誰にも言えない

いつもの秘め事





知っているのは



揺れるドラセナ。




< 9 / 70 >

この作品をシェア

pagetop