雨情物語④<水溜まり>
水溜まり
今日は、新しい傘を拡げた。

雨水を弾いて、傘の上に水の粒が踊る。
ルルべで歩く、あたしの長靴。

細い道には水溜まり。



悲しいことなんて、ひとつもない。
ただ、楽しいことがないだけ。


学校からの帰り道、雨が吸い込まれている水溜まりを、長靴でパシャリと踏んづけた。



跳ね返る水の反撃を覚悟したけど、力を入れた右足に、地球の感触がなかった。


「あれ…、なにコレ」


あたしは、水溜まりの中に吸い込まれていた。
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