君に愛して、僕を恋する。






真中綾子は少しだけ後ろを振り向いて、小さく口を開いたかと思うと、すぐにまた前を向いた。


素っ気ない態度に、友永は顔をしかめた。







今日は1限目はスポーツ大会の種目決め。

学級委員の佳代と斉藤陸 ( さいとう りく ) が前に立って、取り仕切る。





「んー、じゃあ、まず100mから決めよっか。やりたい人ーっ」





佳代の声はよく響く。

後ろの方の俺の席まで大きく届いた。





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