ありがとう。
大好き
《奏side》





「美喜の病気は治らないんですか?」



「もう、心臓移植しないといけないの。そうしないと、治らない。」



「ドナーは?」



「美喜の血液型や体に合う提供者がいないのよ・・・・。」






さっきまでの美喜のお母さんとの会話を思い出す。




きっと、美喜はずっと待っていたんだろう。




もしかしたら生まれた時からかもしれない。






ずっと1人で抱えていたんだろう。







次の日、美喜はいつもと変わらない様子で一緒に登校した。




あまりに楽しそうに笑う美喜の姿に



“やっぱり、嘘じゃないか”


と思ってしまう一瞬の安心も、



体育の時に見学している姿、少し走っただけで呼吸を苦しそうに行う姿に現実に引き戻される。







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