ありがとう。
美喜からのキスは短かったけれど、たくさんの思いが伝わった。
愛を感じた。
そんな彼女が愛おしくて、俺は何度もその唇にキスをした。
「美喜は病人だから来なくていいのに。」
美喜は俺を送ると言って譲らず、玄関まで送ってくれた。
「すぐ戻ってちゃんと寝ろよ?」
「ちゃんと休むんだぞ?」
何回言っても本当にわかっているのか、適当な返事を返してくる。
でも、きっとこんな軽い返事を返せるようになったのも俺のおかげかな?
なんてナルシストなことを考えてみる。
「じゃあ、また明日学校終わったら来るから。待ってろよ?」
そういうと美喜は寂しそうに笑った。