ありがとう。
「そこまでしなくていいのに。」
「俺たちがやりたいから、勝手にやってるだけ。気にしないで美喜ちゃん。」
「勝利君。みんな・・・ありがとう。」
「じゃあ、私たちは全員帰るから。」
詩歌ちゃんが “全員” を強調して部屋を出た。
案の定、奏は不満そうにしてたけど、再び現れた詩歌ちゃんと『しょうがない』って笑った勝利君に引きずられて出て行った。
今、私の隣にいるのは理香子ちゃんと南海ちゃん。
「美喜、詩歌から伝言。『私を救ってくれてありがとう』だって。自分で言えばいいのに、変なところ意地っ張りだよね。」
理香子ちゃんはアハハと笑うと
「私からも、ありがとう。美喜がいてくれたからこの一年楽しかったよ。
これからも、一緒にいたいから。
早く病気治して来い!」
そう言うと、病室を出て行った。
「美喜、私は後でもう一回来るね。」
南海ちゃん、ありがとう。
「南海ちゃん、ありがとう。
ねえ、南海ちゃん。私の検査終わるまで待っててくれないかな?」
「うん。わかった。みんなにばれないように、一回みんなのとこ行くね。」