ありがとう。
「・・・ずっと、優が帰ってくるって信じていた。」
奏君はそういうと、私を抱きしめて、泣いた…。
私は理香子ちゃんに奏君に彼女がいるって聞いた時、すごく苦しかった。
その気持ちは、私の心の痛みと……奏君の心の痛みもあった。
「秋塚。聴いてくれてありがとな。すっきりした。」
「うん。奏君が元気になってくれるのなら、なんだってするよ?
奏君、忘れないで。あなたの周りにはたくさんの人がいることを。
あなたは、1人じゃないんだよ。
もっと、みんなを信じて。」
私の言葉に奏君は、嬉しそうに笑った。
「・・・・本当に秋塚はすごいよ。明日からは、学校に行くからな。
あっ、後、これからはちゃんと一緒に登下校するぞ?
もう、気を使わなくていいから。」
えっ・・・気付いてたの?
私が優さんのために奏君と距離をさりげなく置いてるてるってこと…
「じゃあ、明日なっ。」
奏君は、私を玄関まで送ると、自分の家に向かって行った。