溺愛マイヒーロー
「それでね、あのバカ悠介、あたしの頭をぽんぽんしながら『はやくオトナになろーね』とか言ってきて……!」

「………」

「なにあれ、殺す気?! あたし絶対そのうち、悠介に心不全で殺される……!」

「………」

「ちょっと、辻くん聞いてる?!」



あたしがキッと横を見上げて問うと、あたしの駆け込み寺、もとい悠介の中学来の親友である辻くんは、聞いてる、と呟きながらげっそりした様子でため息をついた。


うん、あたしだってわかってますよ。

ハードな野球の練習が終わって、ヘトヘトになりながらようやく家に帰れるところを無理やり人気のないバックネット裏に連行されて、あまつさえ部のマネージャーから聞きたくもない恋愛相談なんかされるのが、どれほど苦痛か。

……わかる、けど……だけどこの胸の内、誰かにしゃべらずにはいられますか!? いやいられない!!(反語!!)
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