可愛い生徒(カノジョ)の育て方
 夜中の巡視で睡眠不足のため、移動中寝ようとすると、生徒にイタズラされる。

 寝顔の撮影なんて可愛いもんだ。

 油性マジックなんか何故持ち歩く?

 俺の額に『殺』マークなんぞ書こうとするな!

 ネズミのサインをもらう為!?

 ……大人しくその用途限定で使いなさい。

 ネズミの国も、ちょっと前までは引率者用の控え室なるものがあったらしい。

 だが今は、ゆっくり休むこともできない。

 一緒に宇宙山へ行こうと誘う女子や、大雷山へと連行しようとする女子グループから「寝不足でそんなのに乗ったら吐く!」と言って逃げ回っていた。


 ハロウィンシーズンで、より一層混んでいるネズミの国。

 スーツ姿の俺は浮きまくっている。

 だからと言って、この恰好にネズミの耳がついたヘアバンドを装着させようとするのは止めてくれ!

 ネズミの耳だの、四本指の手袋だのをかわしつつ、俺はさっさと任務を遂行する。

 素早く甥と姪へ土産を買い、部活の1年と、社会科、教務部の先生方にもお約束のクッキーを購入。
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