可愛い生徒(カノジョ)の育て方
1月の閻魔帳
「たけるく~ん! ごはんたべたらおそとにいこうよ!」

「ダメ! つぎはかおるとあそぶばんだよ、たけるくん!」


 ……頼む、少しはゆっくりさせてくれ。

 せめて食後のお茶くらい飲みたいんだよ。

 熱いお茶持ってるんだから、じゃれてくるなって!


「だあああ~っ! お前ら子どもならおとなしく昼寝でもしてろ!」

「「ひるねなんかしないもん!」」

 そこだけハモるな!

 ああ、赤子の頃は二人とも天使のようだったのに……。


「健が遊んでくれて助かるわ」

 ……お袋、ちょっとは孫の面倒見ろよ。

「稜も薫も、本当に健が大好きね~」

 ……姉貴、我が子の面倒見ろよ。

「そろそろ、初詣にでも行ってくるか?」

 義兄さん、ナイスアイディア!

 チャイルドシートに縛り付けられている間は、子守りから解放されるもんな。

 子ども達にコートを着せて、完全防備で外へ出る。

 チャイルドシートに固定して、やっと自由の身となった俺は、大きなため息をついた。
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