可愛い生徒(カノジョ)の育て方
『先生が、そこにいた。

「あの~、私の生徒が何か?」

「ああン? 何だコイツ?」

「私は彼女の担任です。彼女へ暴力をふるう人は許しません」

「けっ! 先公なんてやっちまえ!」

「あああ、ちょっと待ってください。ここは人目が多すぎますから、できればトイレとか……」

 先生は自ら進んで不良たちと一緒にトイレへ行ってしまった。

 そして、トイレから大乱闘の様子が聞こえた。どうしよう、先生が不良にやられちゃう!

 しばらくしてトイレから出てきたのは、メガネを外した先生だけ。

 不良達は、トイレから出てくる気配がない。

 ま、まさか先生がやっつけちゃった?

 精悍な顔つきで、ボサボサ頭をかき上げているその姿は、いつもの冴えない先生ではなかった。

「早く行くぞ!」

私の手を引いて走り出す。

「待ってください! 先生はもしかしたら、あの時の……?」

バイクで助けてくれた【伝説の総長・灼熱の魔鎖】?

「ああ、絶対誰にも言うなよ。俺も昔はワルだった。お前、いっつも隙がありすぎるから狙われるんだよ。これからは俺がお前を守ってやる。俺より強い男なんて、この街にはいないからな」

 私は、男らしいその言葉で、一瞬にして恋に落ちたの……』
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