twin∞soul
14 携帯電話
さてさて、次のイベントはどこ行く~?☆

夏は海。

そして温泉に花火。

それから秋はやっぱり、美味しいものを食べに行くく?紅葉狩りに行っちゃう?

楽しいな。

私は近頃、情報雑誌をやたら持ち歩いては、ペラペラとページをめくりまくり☆

今夜も花屋の後に、流と会う約束をしている。

流との出来事を振り返ったりすると、楽しくって自然と以前よりもニヤけて、一人でモジモジ恥ずかしくなって熱くなる。

「こんにちは、おねぇさん」

「あら。こんにちは、いらっしゃいませ」

「今日はちょっとお店の前通るがてら声かけただけ」

あの例の、旦那が浮気してると疑う主婦だ。

「どうですか?あれから」

「あぁ、あなたのアドバイス通りに、主人に電話かけまくってるわ」

「それで、どうなんですか?」

「長いコールの末に、やっと出るから。やっぱりあやしいわね」

「そうなんですか」

「すぐに電話を切ろうとするものだから、尚更疑って止まないわ」

「後は女の勘ですか?」

「えぇ」

その主婦は、以前よりも口振りがしっかりしていて、私に積極的に自分の話をしてくれた。

何だか強くなった。

そんな気がする。

「ほら、うちはこんな小さな子がいるじゃない。家の管理者なんだから責任は重大よ。きちんと今は、家の事に奉仕してもらわなくちゃ困るわ」

「そうですね。休みの日は、お母さんとお父さんが揃っているのが、当たり前ですからね」

「格好ばかり気にして、髪型だの服装だので携帯持って、鏡ばかり見ている年でもないでしょって思うの。ちゃんと家族を見てくれないとねぇ」

う~ん、さすが主婦の意見。

私はまだ独り身に近いから、その言葉は重いなぁ。

「確かに一人でお家に居るんだから、不安ですもんね」

「そうよ」

家に居なくても、私は流と離れてるだけでも不安なんだけど。

流、カッコイイから。

最近更にカッコよさが増しているから。

悔しいわ~、私のが片想い並みに夢中になってる。

電話といえば...。

流も、最近よく携帯電話が鳴る。

私と会ってる時に限って、いつも。

実はその度に不安になる。
< 161 / 206 >

この作品をシェア

pagetop