愛のために生き、愛に殺された。
またワケの分からないことを、そう思って睨みつけるもアキラは笑うばかり。



「ユウを愛したければ愛せばいいよ。だけど、恋をするのは俺だけにしてね」


「はあ?誰がアンタなんかを……」


「きゃー、恥ずかしーこと言っちゃったー」


「聞けよオイ」



しかも棒読み。

一体全体なんなんだ……


呆れ気味でアキラを見つめていると、ファミリー場の扉が開いた。



「おー、ユウじゃーん。お姫様迎えに来た感じー?」


「アキラ?……って、お前ミチルになんもしてねぇだろーな」



アタシが未だ口を袖にあてている様子を見て、ユウはアキラに怪訝な顔を向けた。



「なーんも、なー?ミチル」


「………………(こいつ…っ)。はぁ……。


あひゃっ、そだよーん。こんな奴となんかあるワケなっしんぐー。むしろあったらアキラ今頃死んでるって」


「うーわ、怖ーえー」



アキラの『怖い』がどういう意味か。


それはアタシだけにしか分からない。

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