朝が来るまで
二話○朝が来るまで○
夜。

別に行きたいとこなんて思いつかない。
目の前に公園を見つけた。


公園のスベリ台のところまで行き寝そべる。
仰向けになりボーっとしていると

空が見えた。


「んだょ…星みえねーじゃん」


別に星が見たいとか、そんなんじゃないけどさ

今なんとなく…孤独を感じた気がした。
ガラにもなく寂しいと思ってしまう。


そのとき笑い声が聞こえた。
とても楽しそうな…。


「うるせぇ…」


温かな家庭に嫉妬か?

家族に不満があるわけでもないけどな…

ただちょっと、孤独を感じてる自分にとっちゃ

少し羨ましく思えた。


「かっこわりぃ…」


公園を移動する。

目的地も決めずにとりあえず歩く。

ズボンのポケットから音楽が鳴った


「電話??親か…?」


親からの電話だったら出ないで切ろう。
そう思ってディスプレイを見た。


【愛里】


自分の彼女の名前に思わず笑った。


「もしもし?」

「なんだよ?こんな時間に。めずらしいじゃん」


いつもこんな時間に電話が掛かってきたことはなかった。あいつもバイトで忙しい。


「声が聞きたくなってね」

「バ~カ。で?お前が用もなく電話してくるわけないだろ?」

「ん~…なんだっけ?わすれちゃった」

「バカだろ。」


笑いながら、くだらない話をし、歩きまくる

ある交差点に差し掛かった。


信号は赤。



反対側の歩道に見つけた

愛しい姿。









「やっと見つけた」


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