ぱんつのおかず


「…ひ、肘かけやって!!いつものセッチやったら人のことどついてまで陣取ってくるはずやっ!!」

「おれはどんな人間やねん」




トレーの上の、山盛りポテト。


長いのと、短いの。個性豊かに、積み重なってるイモたち。



その向こうにあるセッチのデカい手が見えて、ふいに。頭なでられた時のこと、思い出してしもて。




「………っ、」




ここ最近、狂いに狂っとるウチの心臓が、スピード上げて活動し始める。



あー、もう!思い出すな、ウチの脳みそ!!




「せ……セッチが親切なんとか、変に優しいのとか、全然似合わへんし!!」

「……なに。ケンカ売ってんのさっきから」

「そういうの、困る」

「…こふじお前、意味わから」

「〜だってドキドキしてまうんやもん!!」




ほら、今やって。



跳ねる心臓に意識とられて、おいしいはずのイモの味がわからへん。



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