鬱になれる短編集
今まで。
親友にとって経験のない、それであったから手順など無茶苦茶であった。

息が荒くなる。
胸をはだけ。
肌を重ねる。

――純粋な下等生物ならそのまま気付かなかったであろう。しかし親友はプロだ。幼い頃からの経験と勘から察知する。廃墟の五階からわずかに感じ取った殺気。

敵だ。
< 11 / 47 >

この作品をシェア

pagetop