抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。
そこにいた暁は…今までにないほどに悲しい瞳をしていた。
何故か、その瞳にまた惹かれている自分がいた…。
暁の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。
一体、何時間ここで泣いていたんだ…?
ずっと…一人で…泣いていたんだよな…。
『何で此処に来たの!?彼女に怒られるよ!?』
わからないんだ…。
気がついたら、ここにいたんだ…。
俺は、暁の手を握ろうとしていた…。
『もう、放ってよ!!』
暁は俺の手を振りほどき、出ていってしまった…。
さよなら…言えなかった。
ちゃんと言いたかった。
『好き』という言葉と一緒に…。
俺は、ゆっくりとドアを閉め…
大声で暁の名前を叫び、そして、泣いた…。