抱いて、抱かれて、堕ちて、溺れる。



どんどん遠くなっていく…。




あれほど守ると決めたのに…。



私は泣かなかった。




泣けなかった。




夫への怒りと、純への申し訳ない気持ちでぐちゃぐちゃな心を、整理するのに必死だった…。




娘を迎えに行き、家に着くまでの間、私たちは一言も言葉を交わさなかった。





(離婚したい…。)





この時、初めてそう思った。






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