なつみかんの花びら




子どもっぽい行動。

扱いにくい女になってるってわかっているから。

顔が、瞳が見れない。


「っぷ。ははっ、かーのん」

「笑わないで下さいっ」


思わず振り向いた私は、蜜樹くんに抱き締められました。


一瞬だけ見えたその表情は、嬉しくて仕方がないといった笑顔。


「は、離して下さい!」


こんなもやもやとした気持ちで抱き締められたくなんてなかった。


「花音はぁ、ウソが吐けないところしか柑夜と同じじゃないし」


ホント?

なら……?


どこが好きなのと思うと同時に彼はまた続きを話し出しました。


「さり気なく優しくて、たまにドジなところとか、花を大切にしてるところとか、ふわふわな雰囲気と話し方と、髪と」


そう言いながら、蜜樹くんが髪に触れる。

ポポポッと頬が朱く熱く。


「ちょっ、離し」

「あと今みたいに妬いてる姿も、好きだよ」


あああああっ。
もう耐えられません。


「も、もうわかりましたからっっ」





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