初恋
校門の前に、ヤツはいた。



「千夏!おせぇよ!
あちぃんだから早くしろよ!」

年がら年中ハイテンションなこいつにももう慣れた。
なんてたって、生まれた時から一緒だったから。


「早くしろって…。
瀧澤のせいで恥ずかしい思いした。
耐えられなくて抜け出してきちゃったけど…後からまた呼び出しだよ。はぁ…
これでも一応学級委員長なんだからねー。」

あたしは深いため息をついた。



「学級委員長って…似合わねぇ!(笑)
かったるい教室から連れ出してやった俺に感謝しろよ」


瀧澤はそう言ってケラケラと笑った。



あたしは、安西千夏。
中学2年生。
なぜか成績が良いというだけの理由で学級委員長を任されていた。


そして、こいつが瀧澤翔。
あたしと同じ施設で育ったから兄弟みたいなもん。
とにかく昔からヤンチャで学校にはいるくせに授業には出ない。

田舎ではこういうヤンキーちっくな男が何故かモテたりするから何か気に食わないでいる。
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