□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」


もじもじする私を、力士は帰りたがっていると察してくれた。



ーああ、ありす!


力士は私の肩を引き、顔を近づけてきた。


(わっ…!)

私は咄嗟に顔を背けた。

キスされると思ったからだ。
勘違いだった。

力士の唇は私の耳元で止まり、そして囁いた。


ーーありす、あのね…





「おはようございまーす。姫さん!」


私が喫煙ルームのドアを開けると、力士は一人でピアニッシモを咥えて、ソファーに座っていた。

爪楊枝咥えてるみたいだ、と私は思う。


「おはよう、ありす」


力士は笑顔で言った。

彼女は本当に仕事人間で、朝9時から夕方6時まで、水曜日以外の週6日ここに来るのだと言う。

ここの社員たちより、仕事熱心なのだ。


「姫さん、私、報告しなきゃいけないことがあるの!」


私は力士の座るソファの横に腰を降ろし、彼女にしなだれかかった。

力士は豊満だから、触れるとすっごく気持ちいい。ぼよん、てなる。


あれから、仕事帰りの喫煙ルームで私達は色々話すようになり、力士がすごくいい人だと分かった。


私の恋の悩みも聞いてくれて、私はすっかり彼女を大好きになっていた。


「あのね、私、今日で仕事辞めます!」

「え!」

力士の指から煙草がポロリ。





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