□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」


力士は4回吸うくらいで、一本を吸い切ってしまう。

肺活量がハンパないのだ。

それもそのはず。


力士は以前、マイナーだけれど、プロのソプラノ歌手だったのだ。

しかし、事務所が潰れ、一千万という多額の借金を押し付けられてしまった。

しかも事務所の社長は倒産直後、空き巣で逮捕され、所属する力士まで白い目で見られる羽目になった。


歌手としての仕事を失った力士は借金返済の為にここで、鬼のように働いているのだ。


「辞める理由ですか?
ウフフッ!それは…ですねえ~
…当ててみて下さいっ!」


「面倒臭いね。
宝くじで三億当たった?」


「ブー!そしたら、今日、ここにはいませーん!」

「海外逃亡?」

「逃亡するお金ないです」

「他にいい仕事見つかった?」

「ブー!あ、でも、半分当たりかなあ」

「えっ、何よ。わかんない」


「いやあっ!ウフフ!当てて下さいよ~あ~んでももう、焦れったいから、言っちゃう!
私、ケイタにプロポーズされたんでえす!」


「ええっ!スゴイじゃない!」


力士は私の両手をものすごい力で握りしめ、私はぎゃあ!と悲鳴をあげた。





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