淡色ドロップス



「じゃあ、また」

「さようなら」


「ばいばーい」
「ご馳走様でしたー」


控え目に手を振りながら、先生と共に背中を向ける彼女さん。




羨ましいとは思うけど


同じくらいお似合いだと思った。





「よし、カラオケでも行こっか!」

「おーいいじゃん」

「美緒、今日は歌おう!」

「…うん、っ」




いつか、先生を超えるほどの恋が出来たとき、この痛みが思い出に変わるかな。


今はまだよく分からない。



でも、もう一度誰かを夢中で好きになってみたいとは、思うんだ。




《余裕でつきます》


こう思えるってことは、あのときの見栄は、あながち嘘でないよね、先生。












「心を奪われて、」


fin.


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