淡色ドロップス
────────ガラ。
待ちかねていた音が聞こえ、俺はゆっくりと身体を起こした。
歩み寄ってきた内田が、一瞬足を止めた。
「…おかえり」
「ぁ、う、うん。ただいま」
まるで喧嘩したかのように気まずい空気。
なんだこれ、こんな空気作った覚えない。
またそれで、俺の目を避け、いそいそとリュックを持とうとする内田。
…おいいい加減怒るぞ。
「なあ」
「、」
一声、呼びかけただけで
ビクッと内田の肩が強ばる。
触れることは、許されない気がした。
今ここで触れたら本気で泣かれそうで怖い。
「…なんか、あった?」
「え」
「や、ここ最近変だから」
「ぁ、う゛…別に…」