片恋の君

モヤモヤは増しては増して、消えることなく今も心の真ん中においてある。


消す方法なんて分からない。


どうやったら消えるの？


ねぇ、教えてよ。


ナツには分からない。


そう思うなら教えてよ。




「…夏耶て、もしかして葉山くんのこと好きなの？」


「え……」




好き？


私が、祐介を？？



「私、好きって気持ちがどうゆうものか分からないの…」


「あら、それまた難しいこというね〜」


「恋ってどんな感じなの？」


「うんとね、私は、その人を想って胸が苦しくなったら、恋だなって思うよ？」



祐介を想って…



胸が苦しい。







私、祐介のことが好きなのかな。




だから、こんなに悲しいの？


話ができないことが

名前を呼んでもらえないことが





「うん、その気持ち…当てはまるかも」



「じゃあ、夏耶の中にあるのはきっと恋だね」



私は知らぬ間に祐介を好きになっていたんだ。


きっと、最近じゃなくて


もっと前から。



彼が特別な存在だったんだ。


でも、もうどうしようもない。



「ねぇ、芹…私、どうしよう」



初めて好きだと思った時点で、それはきっと報われない恋なんだと思い知らされた。



私はただ真っ直ぐに、友達とじゃれ合うあなたを見つめていた。