Love Letters

『蓮』と『蘭』


いつもと変わらない倭との登校中。


「彩乃、あれ……」


倭が指すスクリーンに目を向けると、忘れることが出来ない顔があった。


「蘭……………」


私の口から出てきて、倭と私はお互いに驚く。

何故なら、私たちの中で『蘭』という単語は使ってはならない単語になっている。

それなのに、自然と口から出てきた自分に驚く。

ちょっと大人っぽくなったような気もするな…と思いながらスクリーンに目を奪われる。

蘭とはもう、2,3年間会ってない。


「倭、遅刻しちゃうよ…」


蘭でいてほしい…帰ってきてほしい…

蘭………なんで会いに来てくれないの?


「あぁ…」


倭が頬をポリポリと掻きながら、手を差し出してきた。

手を繋げ……と………?


オズオズとしながらも、倭の手を掴んだ……



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