大好きなんだってば!
奏太くんに会えるのは、少し前までは学校のある平日だけだった。

でも、最近ではたまにお休みの日もデートに誘ってくれる。

「嬉しいけど、どうしてなんだろう…?」

「何がー?」

聞き覚えのある声が聴こえてパッと振り向くと、そこには奏太くんの姿があった。

「あっ、奏太くん!あのね…何だか最近、奏太くんが優しいなあと思って。…何かあったの?」

不安気な顔で問いかけると、奏太くんは私の目を見て、小さく呟くように言った。

「…岡部ともっと、一緒に過ごしたいって思ったから…言わせんな、態度で分かれよ。」

照れくさそうにそっぽを向く奏太くんに、私の胸は高鳴った。

「ふふっ、奏太くん…ありがとう。嬉しい…。奏太くん、大好きだよ。」

「…信じねえし。岡部は、性格もいいし、モテんだろ…俺、知ってんだからな。」

え?何だか分からないけど…私、奏太くんにモテるって思われてる?

もしかして、本命じゃないんじゃないかって疑われてる…!?

「奏太くん!私、全然モテないよ。それに…私は奏太くんしか見てない。奏太くんが本命なの。信じて?」

「…俺だって、信じてえよ。けど…俺、信じて裏切られんの、もう嫌だから。」

やっぱり…過去に何かあったのかな。私の愛でその傷を癒してあげられたらいいのにな。

「それなら、すぐに信じてくれなくてもいいよ。私はずっと奏太くんの傍に居るから。」

私は奏太くんの目を見つめ、そっと手を握った。奏太くんはゆっくり握り返してくれた。

手を握っても嫌がらないし、目を見つめれば見つめ返してくれる。

何より、一緒に居たいと思ってくれてるんだもんね。きっと大丈夫だよね…。

「…今日も、一緒に帰るか?」

「…うん!」

付き合いだして、もうすぐ半年になろうとしている。

なんだかんだで、幸せかもしれない。

だって、好きな人と一緒に過ごせてるんだもん。

☆つづく☆

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