あの日、言いたかったこと。
プロローグ


「あっつ……」


夏休み真っ只中。

ギラギラと輝く太陽の光を背中に浴びながら、俺はだらしなく歩いていた。


こんなに暑いのに何で外なんかに出たんだろう。


あぁ……そっか。

買い物頼まれたんだっけ。


アンタの分も買っていいからアイス買ってきて……って。


ったく……本当に人使い荒い姉ちゃんだよな。


人にこんな暑い思いさせといて、自分はクーラーの効いた涼しい部屋でゴロゴロしながらテレビ観てるとか……


ま、弟なんてこんなもんか。


姉ちゃんには逆らえなくて、結局コンビニに向かっちゃってるし。


あー……それにしても


「……暑い」
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