あの日、言いたかったこと。

「……俺達、やっぱり悠斗にキャプテンやってほしいんだ」

「……え？」

「それで……悠斗に部活に残ってほしい」

「何言って……」

「分かってる。
……分かってるよ。
そんなの、俺達の勝手だって。
でも……」


宮山はじっと俺の顔を見た。

俺は思わず唾をゴクリと飲み込んだ。


「……やっぱ、悠斗しかいないんだよ。
俺達のエースは悠斗で……今までだって悠斗中心に回ってきてたんだ。
みんな……アイツについていきたいと思ってる」

「宮山……」

「……悠斗にとっては一番辛いことかもしれない。
今、部活に来てないし……アイツはもしかしたらこのままやめちゃうかもしれない。
だから……俺達、決めたんだ」


……宮山は真剣な目で俺を見た。


「俺達……悠斗が戻ってくるまで、部長の座は空けておくことにした」

「……え……」


空けておくって……。