あの日、言いたかったこと。
エピローグ


時間の流れというのはあっという間で、あの夏から数か月が経って季節はもう冬になっていた。

あれから俺の生活は変わったと言えば変わったし、もしかしたらそんなに変わってないかもしれない。


でも、気持ちの変化はとても大きかった。


「ひゅーが!
今日、帰りにカラオケ行こ!」

「おー、健太の奢りなら行く」

「え!?それは無理だって!
ってか、行ってくれんの?」

「お前の奢りなら」


俺がそう言うと、健太はぱぁっと顔を輝かせた。


「ひゅーがー!!」

「うわっ……ちょっ、くっつくなって!」

「日向、前に比べると付き合い良くなったよな!」

「そうか?」

「そうだよ!
前ならもっと態度そっけなかったし、全然遊びに行ってくれなかったし!」


俺は友達付き合いがよくなった。

前まではどこか一線を引いていたけど、今ではそれがなくなったように自分でも感じる。

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