あの日、言いたかったこと。

隣を見れば、いつの間にか来ていた杏が目をキラキラさせながらこっちを見ていた。


「いや、まだやるとは……」

「ヒナ君とユウ君が一緒にサッカーするなんて……何年ぶり!?」

「杏も来るか?」

「うん、行く!」


悠斗の誘いに杏は大きく嬉しそうに頷いた。


「よーし、一生懸命応援するからね!」

「だから、俺はまだ行くなんて……」

「杏、あんまり張り切りすぎんなよ」

「大丈夫!」


お前ら人の話聞けよ!!


と、心の中でツッコみつつ、悠斗と杏の楽しそうな顔を見てると俺まで自然と顔が緩んできた。


いろいろあった。

辛くて逃げ出したこともあった。

たくさん泣いた。

後悔もした。


でも……今はすげぇ楽しいよ。


「あ、カメラ持ってかなきゃ!」

「カメラ?」

「うん!
ヒナ君とユウ君の活躍を写真にバッチリ収めるからね!」

「俺はいいよ。
日向だけ撮ってて」

「いや、俺だって別に……」

「えー、ユウ君がいないと絵面がちょっと……」

「……おい。
確かに悠斗に比べたら良い顔はしてないかもしれないけどな……俺の顔は別に普通だからな!」

「そうやってムキになるとこがダメなんだよな」

「ねー」

「お前らな……」


三人でいるとバカなことしか話してないし、騒がしいだけだけど……


小学生の頃のような関係に戻れたかな、とは思う。


これからもきっと、コイツらとの関係は続いていく。


そして、バカな話をしながら一緒に笑い合うんだ。



――光輝へ


「ヒナ君、寝坊助だから日曜はちゃんと起こしに行くからね!」

「頼むぞ、杏」

「今はもう寝坊しないっつーの!」




今日も俺達は、元気です――




―FIN―

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