あの日、言いたかったこと。

夏が来ると思い出すことがある。

毎年……思い出す。

きっと、死ぬまでずっと……俺は夏になる度に思い出すんだ。


そして、罪の意識に苛まれる。


「…………………」


寝返りを打ち、枕に顔を埋める。


頭に浮かんでくるのは……アイツの笑顔。


太陽よりも輝いていた……眩しすぎる笑顔。


それを奪ってしまったのは……俺だから。


謝っても許されないことをしてしまったのは……この俺だから。


過去に戻れることなら戻りたい。

そして、あの時の俺をぶん殴ってやりたい。

アイツに……謝りたい。

……アイツを救いたい。


アイツがいなくなってからずっと……そんなことばかりを思っていた。

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