あの日、言いたかったこと。
杏のキモチ


「……………」

「……………」


おばさんの命日が近づいた、ある日のこと。

俺はいつものように近所のコンビニに出かけていた……が。


「……何でお前らがここにいるんだよ」


俺がコンビニにやってくると……レジのところには杏。

そして……悠斗もいた。


「何でってバイトだよ」

「俺は部活帰りに寄っただけ」


まさかのコンビニで集合。


「ヒナ君、よくコンビニに来るよね」

「コイツ、コンビニしか行くところねぇから」

「あるから。
他にも行くところぐらいいくらでもあるから!」


そんなくだらない見栄を張りながら二人の顔を見る。

七年前とは違い、ずいぶんと大人っぽくなった二人の顔。

きっと俺もそう。

俺達は……どんどん成長していく。

アイツを残して……。
< 44 / 133 >

この作品をシェア

pagetop