あの日、言いたかったこと。
悠斗の過去

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日向と光輝とは幼稚園からの仲で、本当に仲が良かった。

何をするにも一緒で、俺もアイツらと一緒にバカやってるのが大好きだった。


「え?部活?」

「そ!
ユウは中学に入ったら何部に入るの?」


ある日。

光輝が突然俺にそんなこと聞いてきた。

当時小学四年生だった俺にとって、中学なんて遠い存在だったし、そんなこと考えたこともなかった。


「んー、多分サッカー。
俺、それしかできないし」


そういえば、日向はあの時何でいなかったんだっけ。

あぁ……確か、風邪引いて寝込んでたんだっけ。


「そっか!
俺もサッカー!」

「お前、サッカー大好きだもんな」

「それをいうならユウもだろ。
ヒナはどうすんだろ」

「アイツもどうせサッカーだろ」

「じゃあ、俺達三人一緒か」

「うわー。
面倒くさそー」


そんなことを言いながら笑っていた。

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