あの日、言いたかったこと。


でも……あの練習試合の日。

俺達の関係は崩れ始めた。


勝ちたかった。

例え練習試合でも。

あの時、日向は俺か光輝のどちらかにパスができる状況だった。

それは分かっていた。


だけど……あの場面で、日向がパスを回すべきだったのはどう考えてもシュート率の良かった俺だ。


その二日後……おばさんが亡くならなければ、そんな試合……よくあることの一つで終わっていたのに。


おばさんの死を知った時にはもう遅かった。


あれが最後だったんなら……やっぱり光輝にチャンスをあげるべきだった。

……でも、俺達は知らなかった。

知ってたらそうしてたはずだ。


だから……俺達は悪くない。


そう……自分に言い聞かせていた。

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