ピンキーリング【短編】
デートは、やっぱり2人で時間を共有できることが嬉しい。



拓ちゃんに買ってもらったいちごのかき氷を食べながらおもう。


拓ちゃんは、フライドポテトを食べながらあたしの横に座っている。



いっしょに並んで座っているだけでめっちゃ幸せ。




「なな、かき氷食べたい。」


「うん。」



そう言ってかき氷を渡そうとしたときだった。


拓ちゃんの手によってそれは阻止された。



「ななが食べさせてよ。」


その言葉を聞いて、あたしは耳まで真っ赤になった。



カップルって、みんなこんなことするのかな?!


そう思いつつ、かき氷をスプーンですくって拓ちゃんの口にもっていく。

ぱくっと拓ちゃんが食べた。



「おいし♪」


そう言って、拓ちゃんは自分のポテトを持った。

「はいっ、ななも。」


そう言ってあたしの口元に持ってくる。



あたしもぱくっと食べる。



「どう?」


「おいしい。」



そう言うと、拓ちゃんは笑顔になった。


あたしだけに向けられるこの笑顔があたしは大好きだ。




「なな、ゆかた、

めったゃ似合ってる。」

いきなり拓ちゃんがそんなことを言った。


いきなりだったので顔が真っ赤になる。

横目で拓ちゃんを見ると、拓ちゃんは耳まで真っ赤になっていた。


「拓ちゃんも、

じんべい似合ってる。

惚れ直すぐらい。」


笑いながら言うと、拓ちゃんはあたしの手をぎゅと握った。


あたしもその手をにぎりかえした。

< 15 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop