ピンキーリング【短編】
あたしは、
右手の小指につけているピンキーリングにそっと口づけた。
左手で右手を優しくつつみこむ。
ピンキーリングにかける願いは、今も昔も変わらない。
『ずっと拓ちゃんのそばにいられますように。』
形はなくとも、あたしの中で拓ちゃんが生き続けるかぎり、そばにいることにかわりはない。
「じゃあね、拓ちゃん。」
そう言って、あたしはお墓をあとにした。
一歩ずつ
一歩ずつ歩きだす。