等身大の愛唄
「っ…は、初めて聞いたっ…プッ…怒鳴りながら、礼言う奴…っ。」



腹を抱えながら笑う龍哉。



こんな事なら、お礼なんて言うんじゃなかった…。

と、後悔。



そのうちあたしは、膨れっ面になってゆく。



「あーもーっ!!!俺なんか言うんじゃなかった!それに、せっかく"龍哉の歌、良かった"って褒めてあげようとしてたのに。」



――って、あたし言っちゃってるじゃん!



「別に……いいし。……言ってもらわなくても。」



何故だか声が小さい龍哉。


チラッと顔を見ると、顔が赤らめている。


パチッ



と、目が合うと、フイっとそっぽを向かれてしまった。


それを見て、あたしは吹き出してしまう。



そんな感じで、電車を降りる。



「ね、ねぇ…」



駅から10分歩いた所で、あたしは先に歩く龍哉に声をかける。



「ん?何?」

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