アウト オブ ザ ブルー

彼の声があまりにも沈んでいたので、私は起き上がって彼の左手を握った。



薬指にはまだ結婚指輪がはめられていた。




彼の顔を見下ろすと、口元は笑っていたが、目にはうっすらと光るものが見えた。


「自分のホントの子は死んでしまうし…、最悪だな、もう…。人生終わったも同然だよ…」




つられてこっちも泣きそうになったが、私は彼を励まそうと唇をかみしめた。


「そんなの、キーチらしくないよ…。人生どんなことが起きたって、何とかなるって言ったのはキーチだよ…?やまない雨も、明けない朝もないんでしょ…?」




すると彼は「そうだったな…」と鼻で笑った。


「ごめん…、前は俺がミッチの話を聞く側だったのに、今日は逆だな」






胸のあたりがズキンとした。
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