アウト オブ ザ ブルー

私が急に走ったのでびっくりしたのか、私のお腹とキーチの背中に挟まれたみーくんが突然堰を切ったように泣き出した。



その泣き声は激しくて、まるで父親の心を代弁しているようにも思えた。




「子ども、産んだんだ…?」




やっと振り向いたキーチの口から出てきたのは、そんな言葉だった。


「ああ…、うん…」




私はキーチから手を離すと、その手でみーくんを抱き寄せ、彼をよしよしとあやしながら答えた。


「そっか…」




私は何も返せず、ただ泣きじゃくるみーくんをなだめていた。


みーくんはひとりで育てるつもりでいたので、今更「この子はあなたの子よ」などと言うことはできなかった。
< 385 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop