アウト オブ ザ ブルー

その後、私の涙は枯れることを知らないくらい、幾度となく流れ続けた。



朝も昼も夜も、それはふとした瞬間急にあふれ出てきて、私の心をおかしくさせた。




空を走る飛行機を見れば、どこまで行くのだろう、カナダかな、と考えたり、


キーチが乗っていたのと同じ車を見れば、それをじっと目で追いかけたり、


キーチにもらったCDをかけては、一緒に過ごした夜を思い出したり、


みーくんを抱きしめては、その背中にキーチの温もりを探したりして、




仕事も育児も夢への準備も


全てに身が入らなくなって、






梅雨入りと同時に、








私は自分で自分の心に再び激しい雨を降らせていた…。








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