至上最悪の恋愛

契約



「ほら、智尋おりなさい。修ちゃんが待ってるわよ」

「うん…」



結納の会場に着いたあたしは、ひとつ大きなため息をついた。

幸せが逃げるどうこうの前にあたしにはもうすべてがどうでもよくなっていた。



「あ、あなた。先に着いていたのね」

「ああ、修都と一緒に来たからね」



お父さんが着いて、一緒に中へ入る。

ロビーはものすごく広くて、上には大きすぎるシャンデリア。

何であたしはここにいるんだろう。

確実に場違いじゃない。



「高倉様、お部屋へご案内いたします」

「ああ、ありがとう」



部屋に案内され大きなドアの前に立たされる。

何よ、わざわざ結納をこんなところでやる必要があんのよ。




「さあ、行くよ。智尋」

「はい…」



あたしの想いはどこへ行くんだろうか。
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