§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「咲和せんせぇ、彼女たちが気付かないとでも
思ってたんですかぁっ?」


「えっ?!な、なにがっ?!」


「またまたぁー
咲和せんせぇってば、ほーんとっ
わかりやすいんだからぁー」


愛子ちゃんは
ニヤけた顔をして私に言う


「レッスン中、何回ぼぉーっとしてたか
教えましょぉかぁ?

もぉー、咲和せんせぇってば、
ポーッって、顔緩んでましたよぉー

レッスン中に、へんなコト思い出さないでくださいねっ
ごちそうさまでしたぁ うふふっ」


うふふ、って…


いや、その…


顔…ゆ、緩んで…?
ポーッって…してたの…私…?


後片付けをしていた手を止め、
愛子ちゃんをまじまじと見た



「ふふっ
じゃぁ、先生、私、これで失礼しますねー」


「お、お疲れさま」



と、年下の愛子ちゃんに
気付かれ、笑われ…

なんたる不覚…


ダメだな、私…


まだまだ修行が足りないってコトよね…


あ…


そういえば…これから
桜井くんたちと打ち合わせだったんだ…


しっかりしろ!私!


フツーに、いつもの咲和先生でいかなきゃ!










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