§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

「いっただきまーすっ!」


「いただきます…」


具がパンからはみ出してるサンドイッチを
大きな口を明け、頬張る桜井くん


私にも早く食べろと言わんばかりに目配せする


「う、うめへぇー!
ココのサンドイッチも旨いんだー」


今度は、ちょっと大きめのカップスープの器に
移してあるスープを食べた

あれ?
そんな器あったかな…?


「せーんせ? なにオレのコトガン見してんの?

せんせが見惚れるくらい
オレ、そーんなにイイ男かなー?」


スープを食べる手を止め、どや顔でこちらを見る


「ち、ちがいますっ!

う、器に見覚えなかったからっ
どこにあったかな、って思っただけですっ」


「なーんだっ

キッチンの棚、適当に開けたら奥の方にありましたよっ

ちょうどいーかんじだったんで…」


「そーなんだ…」


再び、サンドイッチを掴み口元へ持っていこうとすると


「せんせ、ちょっと…」


桜井くんの右手が伸びてきて
親指が私の唇を拭った


「えっ?!」


「マヨネーズ、ついてましたよ」


そう言って
指についたマヨネーズをペロリと舐めた


< 44 / 138 >

この作品をシェア

pagetop