§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

テーブルを挟んで向かい側に倉田さんが座り
私たちに話し出した


「咲和さん…

あなたは本当に室長のことを愛してらっしゃいますか?」


真剣に問う倉田さんの言葉に胸がズキンとした


「失礼だとは思ったのですが…

あなたのことを調べさせていただきました」


「え…」


倉田さんは、もう何もかもお見通しってコトか…


「そちらにいらっしゃるのは…桜井 直さん…

あなたの…」


「はい…私の大切な人です…」


「では…なぜ…?!」


倉田さんが、テーブルに手をつきこちらに詰め寄る


「あの…オレに説明させてもらえますか?」


「あ、えぇ、どうぞ」


直が、私の代わりに倉田さんに
私と直のこと、
今日、悟さんに婚約解消をお願いしにきたこと
簡潔に説明をした


「そう…だったんです…ね…」


倉田さんが
ホッとしたのか、ソファーの背に凭れかかった

まだ、緊張が解けていないのか
すこし顔色が悪かった


「あの、大丈夫…ですか?

お水か何か持ってきましょうか?」


私が立ち上がり、ウォーターサーバーに向かおうとすると


「あ、いえ、お気づかい…」


ソファーから倉田さんが立ち上がろうとした時
ふらついて倒れそうになった


「大丈夫ですかっ?!」


機敏に直が、倉田さんの身体を支えた


すると…


「よう子っ!!!」


悟さんの声が聞こえた


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