溺れる月
「いただきます。」と小さな声で言い、

ご飯を口にしたが、


まるでティッシュを噛んでいる様に味が無く、


飲み込めない。


それなのに、やたら唾液だけがたくさん出る。


できるだけたくさんの食べ物を、


入るだけ口に詰め込んで、


オレンジジュースで胃に流す。


そんなことを五回も繰り返すと、


朝食が終わった。


胃の中で、さっき食べた物が


燃えているかの様に熱い。



 
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