ソフトな関係、ディープな事情
「外に出たいからってよぅ、そーんな外ばっか見つめてんなよ。

お前の病気が治ったらいくらでも出れるんだしさ」


「ははっ…そうだよね。あ、青葉。今日も花持ってきてくれたの?」


「おう、どんな花がいいか分かんなかったからなー。けっこう明るめの花選んできたけど……これでよかったか?」


「うんっ、勿論だよ。……綺麗な花だね」


「そりゃよかった」



にこりと微笑む和泉に、俺もニッと笑い返す。


和泉の病気はどんなもんか知らねぇけど、本人曰く、『親が大袈裟にしただけ』らしい。


俺と和泉は幼馴染み。


昔からよく遊んでたんだ。

ま、和泉はモヤシっ子だからな。外で遊ぶことはあんましなかった。


んでも、和泉とは喋ってるだけでフツーに楽しい。和泉となら、なんだって楽しいんだ。

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