ローズクォーツ
シトリン
学校の帰り道。

いつもの寄り道でカラオケに入る。

薄暗い通路の中、微かに聞こえる人々の歌い声。

だけど、あたしの心は晴れない。

「…こ、梨子!!」

「…っあ、ごめんー!ボーッとしてた。え、何?」

新奈は、ふーっとため息をついて、あたしに向き合った。

「梨子、今日はあたしのおごりだから、ちゃんと元気出してよ!」

「男の一人や二人、フラれたってアンタの人生がすべて壊れる訳じゃないでしょ!?」

に、新奈……。他人事だと思ってそんな事を……!

手を耳にあてて、聞かざるのポーズ。

「聞こえないもん!!」

「……ボケが低レベル…慰めるのも、疲れるなっ!……うん。」


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