遠距離恋愛



「なあんか女の子がふらふら歩いてるなあ、

倒れたりしないかなーと思ってたら案の定倒れるし、

しかも茉柚ちゃんだし…どうした?風邪?」

「あ、えっと…いえ、なんか躓いちゃっただけで!」


今更ながら、身体が密着している事に恥ずかしさを覚え、

慌てて身体を離した。


「ほんとすいません!拓未さんもこれからバイトですか?」


何かを言おうとした拓未を牽制するように言葉を紡ぐ。


「…いや、今日は入ってないよ。今は撮影の帰りで、家に帰る所」

「拓未さん、家この辺なんですか」

「うん。だから気にしないで。バイト変わってあげる」

「…え?」

「体調悪いんでしょ?帰って休みな」



< 27 / 92 >

この作品をシェア

pagetop