遠距離恋愛



…情けない。

気を遣わせて、自分が居た堪れない。

翔に、合わせる顔が無い。

そう思うと、じわりと目に涙が滲んだ。


「…姉ちゃん?」

「…大…」

「ねえちゃ、泣いて…?!どうした、翔さんに振られたか?!」

「…まだ振られてないもん」


ぷい、と顔を背ける。

そういえば、大の高校はこの駅だったか、と思いながら。


「…もしかして姉ちゃん、具合悪い?」

「……」

「…今日は帰ってくれば?」



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